2017年9月19日火曜日

低い音って、どこから低いの?

音の高低はピッチ(周波数、Hz)で知覚されます。
私達は、そのピッチの違いを「高い・低い」という言葉をつかって表現します。
小職はチェロを少々弾く身なのですが、チェロという楽器は世間では
大体低音楽器として扱われます。
(ほんとは時にはバイオリンパートよりも高い音を出してたりしますが)

さて、ピッチの高低表現ですが、
いったいどこからが低い音なのでしょうか。

良く言われるのは1000Hz以上は高い音、
100Hz以下は低い音ということになっているそうです。

ふーむ。なんとなく言われればそんな気がしますね。
でも、やっぱり気になるので、実験してみました!

つい前日、とあるイベント(○殊な音楽のお祭り(^^;)分かる人には分かってしまう)
でご来場いただいた会場のお客さん約80人一斉に、
いろんなピッチの単音(ビープ音)を聞いてもらい、
「低い!」と思ったら手を挙げてもらう、という実験をしました。

聴いてもらうピッチは16音でランダム。
400, 120, 1500, 500, 100, ,,, と、20Hzから1500Hzまで。
みなさんには都度低いと思ったら手をあげてもらいました。

結果は、こんな感じになりました。
低いと感じて手が上がった数
1500~300Hz 0人
200Hz 5人
150Hz 15人
120Hz 40人
100Hz 80人全員
80~20Hz 80人全員

大体、200Hzはバイオリンの低い音の出る線G線あたりくらいから
低いと思う人が現れ、さらに1オクターブしたにあたる
100Hzあたり(チェロのG線)の音高ではみんなが低いと感じる結果になりました。
通説はだいたい合ってるみたいでした。

ちなみに、チェロの弦は高い順に、A線220Hz、D線147Hz、G線98Hz、C線65Hzです。
やはりチェロの音は低いと言われるのには一理あるかな。
もちろん低音が豊かに響くという印象も大きいですが。

以下、ちょっと余談。
ポピュラーなチェロの小品は大体A線の1オクターブ上あたり440Hzぐらいから下なのですが、
コンチェルトになるとさらに1オクターブ上の音域も良く使われます。
かなり大雑把な表現ですが、チェロの曲をみてみると、
輝かしい音色がするA線で旋律が書かれることがよくみられるのですが、
この範囲はというと、220Hzから440Hzくらい。
弾いていても楽器が良くなるし、奏者からしても弾きやすく歌いやすい(テクニック的にも難しくないし(^^♪)。
一方、太く渋いゴウゴウとした音色を聴かせるためにはC線がよい。
この時のピッチは65Hzから98Hzくらい。
有名どころでいえば、ブラームスの第1番ソナタ、ベートーヴェンの第3番ソナタetc
と数々の名曲をみれば、チェロの音色の魅力のバリエーションを考えて
作曲家は書いていますね。

ミラノ、スフォルツェスコ城にある楽器展示コーナー。楽器好きなら立ち寄ってみてください。入り口は分かりにくいので係員に聞いた方が手っ取り早い。





0 件のコメント:

コメントを投稿